カット・シャンプーなしの店なら、届出はいらないと思っていませんか
ヘアカラーだけに絞った専門店を開きたい。カットやシャンプー台を置かず、色を変えることだけに特化すれば、設備も手間も抑えられる。そう考えて物件を探し始めたところで、「美容所の届出は必要なのか」という疑問にぶつかります。カットをしないなら美容室とは違うのではないか、と思う方もいると思います。この記事では、その疑問に答えます。
結論:ヘアカラーは美容師法上の「美容」にあたり、美容所の届出が前提になります
厚生労働省の案内では、美容師法における「美容」は、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすることとされており、染毛(ヘアカラー)もこれに含まれます。つまり、カットやシャンプーを扱わずヘアカラーだけを提供する専門店であっても、美容を業として行う施設にあたるため、美容師免許を持つ人が、保健所に届け出た美容所で行うのが基本です。開業にあたっては、美容所開設届と、開設前の保健所による確認検査が関係します。必要な設備や構造基準は自治体・保健所によって異なるため、最終的には管轄の保健所での確認が必要です。
この記事で分かること
- – ヘアカラー専門店が美容所開設届の対象になる理由
- – カットをしない店でも美容師免許が必要になるのか
- – いつ、何を保健所に相談すればよいか
- – 内装や設備を決める前に確認しておきたいこと
提供メニューで変わる3つのパターン
ヘアカラー専門店といっても、提供するメニューの範囲によって確認事項が変わることがあります。
| パターン | 主な内容 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| ヘアカラーのみ | 白髪染め・おしゃれ染めなど染毛のみ提供 | 美容にあたるため美容所届出・美容師免許が前提 |
| ヘアカラー+簡易メニュー | 部分カット、ヘッドスパ等もあわせて提供 | メニューごとに美容該当性が変わりうるため保健所で個別確認 |
| 出張・訪問型 | 店舗を持たず利用者宅などに出向く形態 | 施設要件の考え方が店舗型と異なるため事前相談が必要 |
たとえば「シャンプー台を置かず、カラー剤の調合とオンカラーだけを行う店にしたい」という場合でも、染毛という行為自体が美容にあたるため、美容所としての届出と美容師免許保有者の配置が前提になります。
確認の4点セット
ヘアカラー専門店の開業では、次の4点を順に確認していくことになります。
- 1. 何を:提供するメニューが美容にあたるか、構造設備の基準を満たせそうか
- 2. どこに:開業予定地を管轄する保健所
- 3. いつ:物件が決まった段階、内装・設備を決める前
- 4. どんな資料で:メニュー内容のメモ、物件の平面図、美容師免許証、設備の予定リスト
厚生労働省の案内では、美容師の免許を持たない人が業として美容を行うことはできないとされています。カットを扱わない専門店であっても、この点は変わりません。
美容所開設届の基本を押さえる
美容所は、開設の前に保健所の確認検査を受ける必要があります。厚生労働省の案内では、美容所を開設・廃止するときは都道府県知事(保健所設置市又は特別区では市長又は区長)への届出が必要とされ、使用前に確認検査を受けなければ使用できないとされています。ヘアカラー専門店も、染毛という美容行為を業として行う以上、この枠組みに含まれます。必要な設備や構造基準は、自治体の条例によって差があるため、統一的な基準を一律には言えません。内装を仕上げてから基準に合わないと分かると改修が必要になるため、物件が決まった段階で早めに保健所へ事前相談するのが安全です。
保健所への相談は、次の段階を目安に進めることになります。
| 段階 | この段階ですること | 確認先 |
|---|---|---|
| 物件が決まった段階 | 早めに事前相談の予約 | 管轄の保健所 |
| 内装・設備を決める前 | 構造設備の基準を確認し設計に反映 | 保健所 |
| 届出前 | 開設届・必要書類をそろえる | 保健所 |
| 確認検査前 | 美容師免許を持つスタッフの配置を含め、施設を基準どおりに整える | 保健所 |
よくあるつまずき
- – カットをしないから美容所届出は不要だと思っていた:染毛は美容師法上の美容にあたるとされ、カットの有無にかかわらず美容所の届出と美容師免許が前提になります。判断に迷う場合は管轄の保健所に確認することになります。
- – シャンプー台を置かない設計にしたら基準に合わなかった:必要な設備は自治体の条例によって異なるため、内装を決める前に保健所へ確認しておくと手戻りを防げます。
- – 美容師免許のないスタッフにカラーを担当させようとしていた:染毛を行うスタッフには美容師免許が必要とされています。免許を持たないスタッフの業務範囲は保健所や専門家に確認することになります。
自分の店舗プランが美容所開設届の対象になるか整理したい方は、美容所開設届サポートのページもあわせてご覧ください。
行政書士に相談した方がよいケース(判断のめやす)
次のうち1つでも当てはまるなら、保健所への事前相談の前に相談しておくと準備がスムーズです。
- 1. カットなしのヘアカラー専門業態でも届出対象になるか整理したい
- 2. 内装業者との打ち合わせが進んでいて、手戻りを避けたい
- 3. ヘアカラー以外のメニューもあわせて扱う予定で、対象になるか確認したい
すでに保健所への相談の段取りがついているなら、まずは自分で事前相談に進んでも大丈夫です。
相談すると、ここまで整理できます
- – 保健所の事前相談で確認すべき項目のリスト化
- – 提供メニューの整理(美容に該当するもの・個別確認が要るもの)
- – 構造設備の確認リスト(内装に反映できる形で)
- – 開設届の必要書類の整理
あさなぎ行政書士事務所でできること
あさなぎ行政書士事務所では、ヘアカラー専門店などの開業を検討している方に向けて、初回30分の無料オンライン相談を行っています。ヘアカラー専門店も美容を業として行う施設にあたるため、美容所開設届と保健所の確認検査が関係します。当事務所では、対象業態にあたるかの確認、保健所相談前の論点整理、必要書類の整理、確認検査に向けた段取りまで、開業スケジュールを見据えてサポートします。料金とご依頼の流れのページもあわせてご確認ください。
まとめ
ヘアカラー専門店は、カットやシャンプーを扱わなくても、染毛という美容行為を業として行うため、美容所開設届の対象になります。美容師免許を持つ人が、届け出た美容所でメニューを提供するのが基本です。内装や設備を決める前に、保健所への事前相談から進めましょう。
よくある質問
**カットをしないヘアカラー専門店でも美容所開設届は必要ですか。** 対象になると考えられます。染毛は美容師法上の美容にあたるとされており、カットの有無にかかわらず、美容師免許を持つ人が届け出た美容所で行うのが基本です。個別の判断は管轄の保健所で確認することになります。
**開業にかかる費用はどのくらいですか。** 保健所の検査手数料や内装費用は自治体・物件によって異なります。一律の金額はお伝えできないため、事前相談の際にあわせて確認することをおすすめします。
**美容師免許がないと開業できませんか。** 施術を行うスタッフには美容師免許が必要とされています。経営者自身が施術しない場合の扱いも含め、詳しくは管轄の保健所に確認できます。
**必要な設備は何ですか。** 手洗い・消毒設備など基本的な項目はありますが、具体的な基準は自治体の条例によって異なります。内装を決める前に保健所へ確認するのが安全です。
**ヘアカラー以外にまつ毛や眉毛のメニューも扱えますか。** メニューによって取扱いが分かれることがあり、管轄の保健所への個別の確認が必要です。まつ毛エクステンションについては別記事、美容所開設届全体の基本については関連記事もご覧ください。
内装や設備を決める前の方は、提供予定のメニューと物件の情報をメモにして、無料30分のオンライン相談へ。保健所に確認すべき項目まで一緒に整理します。
参考情報
- – 厚生労働省「美容師法の概要」(美容の定義、美容所の届出、確認検査)
※本記事は2026年7月11日時点の公式情報をもとにしています。構造設備の基準、必要書類、確認検査の進め方は自治体・保健所により異なり、法改正等で変わる場合があります。最新の情報は管轄の保健所でご確認ください。
— 監修:あさなぎ行政書士事務所 情報確認日:2026-07-11(対象業態、基準、運用は管轄の保健所・自治体により異なる場合があります) 参考情報:厚労省 美容師法の概要 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124874.html 本記事は2026年7月11日時点の公式情報をもとに作成しています。手続きの要否や必要書類は、管轄窓口の運用により異なる場合があります。
手続きの整理で迷ったら、初回無料相談で確認できます
事業内容や準備状況を伺い、古物商許可、ペットサロン・トリミングサロンの登録、美容所開設届のうち、どの手続きから確認すべきかを一緒に整理します。

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